“あったらいいな”を形にしたアメリカンダイナー・若松町『FAMILY DINER shrimp house』

  • URLをコピーしました!
赤い扉の前で笑顔の男性スタッフが立っているレストランの外観。ガラスには「OPEN」のサインと営業時間・メニューが書かれた赤い看板があり、チェック柄のテーブルクロスも見える。店内は黒と白の市松模様の床で、アメリカンダイナー風の雰囲気。
「FAMILY DINER shrimp house」代表・瀧谷善之さん
赤い扉の前で笑顔の男性スタッフが立っているレストランの外観。ガラスには「OPEN」のサインと営業時間・メニューが書かれた赤い看板があり、チェック柄のテーブルクロスも見える。店内は黒と白の市松模様の床で、アメリカンダイナー風の雰囲気。
「FAMILY DINER shrimp house」代表・瀧谷善之さん

 東府中駅から真っすぐ伸びる平和通り沿いに、ふと現れるのは心躍るネオンサイン。真っ赤に彩られたアメリカンダイナー然とした店舗こそ、2023年10月からこの地に店舗を構える「FAMILY DINER shrimp house」です。名物は店名にもある通り、子どもから大人まで万人に愛される“エビ”料理たち。レトロでポップな雰囲気は、誰もが気兼ねなく楽しめるワクワクする空間です。

 今回は、代表の瀧谷善之さんに、ご自身の原体験から生まれたお店のコンセプトから、「父」と「経営者」二つの視点からお店に込めた想いまでを伺いました。

店づくりのきっかけは子育て中の“悩み”

アメリカンダイナー風の店内で、赤いギンガムチェックのテーブルクロスを前に笑顔で話す男性スタッフ。テーブルにはケチャップとマスタードが置かれており、背景には赤とターコイズブルーの壁、バーカウンター、吊るされたグラスが見える。
かねてからの夢だった自分の店を持つように
アメリカンダイナー風の店内で、赤いギンガムチェックのテーブルクロスを前に笑顔で話す男性スタッフ。テーブルにはケチャップとマスタードが置かれており、背景には赤とターコイズブルーの壁、バーカウンター、吊るされたグラスが見える。
かねてからの夢だった自分の店を持つように

 高校3年生の時、レストランのアルバイトで飲食の世界へ足を踏み入れて以来、その魅力に取り憑かれてきたという瀧谷さん。大手シーフードレストラン「レッドロブスター」で正社員としてキャリアを積みながらも、いつかは自分の店を持ちたいと夢見ていました。

 その夢が現実へと大きく動き出したのは、30代半ば。飲食人としての情熱と、一人の父としての視点がちょうど重なった時のことでした。

「35歳という年齢を迎え『挑戦するなら今しかない』という気持ちが沸き起こりました。ちょうど前職での異動タイミングが重なったこともあり、思い切って独立を決意したんです」

 その決意は固く、瀧谷さんは独立後わずか9ヶ月という驚きのスピードで「FAMILY DINER shrimp house」のオープンにこぎつけます。長年の仕入れ先であった府中の名店「柏屋」さんとの縁もまた、その背中を押したのだそう。

アメリカンダイナー風の店内。黒と白の市松模様の床、赤と黒のレトロな椅子、赤いギンガムチェックのテーブルクロスが特徴的。ターコイズブルーの壁には「ROUTE 66」やレトロポスターが多数飾られている。テーブルにはケチャップやマスタードが置かれている。
アメリカンレトロなインテリアが目を引く店内
アメリカンダイナー風の店内。黒と白の市松模様の床、赤と黒のレトロな椅子、赤いギンガムチェックのテーブルクロスが特徴的。ターコイズブルーの壁には「ROUTE 66」やレトロポスターが多数飾られている。テーブルにはケチャップやマスタードが置かれている。
アメリカンレトロなインテリアが目を引く店内

 独立に当たり、彼が大切にしていた視点がもう一つあります。それは、家庭では父である瀧谷さん自身が「あったらいいな」と思えるような店を作ること。

「子どもが幼稚園児だった頃、どうしても周りの目が気になり、好きだった外食が楽しみにくくなりました。だからこそ、『子連れでも気兼ねなく入れて、ちょっとお洒落な近所の店』を、他ならぬ私自身が作りたいと思ったんです」

“好き”と“経験”が詰まったコンセプト

アメリカンダイナー風の店内で、赤いエプロンを着けた男性スタッフがメニューを指差しながら案内している様子。背景には赤とターコイズブルーの壁、バーカウンター、天井に吊るされたグラス、棚に並んだフィギュアが見える。
幸せな瞬間の最前線にいられる喜び
アメリカンダイナー風の店内で、赤いエプロンを着けた男性スタッフがメニューを指差しながら案内している様子。背景には赤とターコイズブルーの壁、バーカウンター、天井に吊るされたグラス、棚に並んだフィギュアが見える。
幸せな瞬間の最前線にいられる喜び

 「これまでの人生で、飲食以外の仕事をやりたいと思ったことがない」と断言する瀧谷さん。自分の行動でお客様を喜ばせることができるだけでなく、その反応をリアルタイムで見られる。料理でも接客でも、それがこの仕事の一番のやりがいだと語ります。

 そんな瀧谷さんが、この店の主役に選んだ食材は「エビ」。府中市は広しといえど、エビを主軸として取り扱っている飲食店は現状、他にありません。

「エビは大人から子どもまで、多くの方に好かれる万能な食材です。ですが、エビの専門店は意外と少ない。当店のように、子連れでカジュアルに楽しめる店であれば尚更です。私は前職でも長年エビを扱ってきた分、経験を活かすには最適だと思いました」

 アメリカンダイナーというコンセプトも、「もともとMARVEL(マーベル)映画が大好きで……」と少し照れながら話す瀧谷さんならでは。自身の好みというエッセンスは大切にしつつ、誰もが楽しめるアメリカンで陽気な雰囲気を表現するために、このスタイルに行き着いたとのこと。実際、店舗で食事を楽しんでいると、少しだけ洋画の中に入ったかのような非日常感が味わえるのが不思議です。

“エビのプロ”が作る絶品メニュー

『シュリンプカクテル』
『シュリンプカクテル』

 豊富なメニューの中でも、瀧谷さんが「まずはこれを試してほしい」と薦めるのは『シュリンプカクテル』。華やかな見た目のエビが並ぶ同メニューには、仕入れの中でも特に大きいサイズのものを厳選して使っているそう。プリプリとした食感と凝縮された旨味は、まさに専門店ならではの逸品です。

『シュリンプロール』
『シュリンプロール』

 もう一つ、瀧谷さんが愛着を寄せるメニューが「シュリンプロール」。こちらはジューシーなソーセージにエビを巻き付け、食欲をそそるケイジャンスパイスで香ばしく焼き上げた一品。魚介類×肉の掛け算からしか得られない旨味は、ビールとの相性も抜群です。

 前職では、現場の店長だけでなく、メニュー開発や仕入れの仕事も担当していたという瀧谷さん。だからこそ、調理の腕を振るうだけにとどまらず、さまざまな来店層を意識したメニュー設計全体にも気を配っています。

ご家族でも、カップルでも、お一人様でも、その日の気分で選ぶ楽しみを味わってもらえれば嬉しいですね」

目にも鮮やかなメニューが並ぶ
目にも鮮やかなメニューが並ぶ

「気は使いすぎない」のがおもてなし

アメリカンダイナー風の個室席。赤とターコイズブルーの壁、赤いギンガムチェックのテーブルクロス、ブラウンの椅子が並ぶ。壁にはルート66のポスターやナンバープレート、レトロな看板が装飾されている。テーブル上にはケチャップやマスタードが置かれている。
貸し切り利用もできる個室タイプの客席
アメリカンダイナー風の個室席。赤とターコイズブルーの壁、赤いギンガムチェックのテーブルクロス、ブラウンの椅子が並ぶ。壁にはルート66のポスターやナンバープレート、レトロな看板が装飾されている。テーブル上にはケチャップやマスタードが置かれている。
貸し切り利用もできる個室タイプの客席

 店舗の奥には、個室として使用可能なテーブル席があります。奥まった場所にあるだけでなく、全体から間仕切りもできるため、ちょっとした誕生日パーティーや宴会などにも使いやすそう。段差などもほとんどないため、小さいお子様やベビーカーでの来店にも向いています。

 お子様用のイスや食器、キッズメニューなども取り揃えながら、“子連れ歓迎”を掲げている同店のスタイルについて伺うと、意外にも瀧谷さんは「あまり気は使ってないんですよ(笑)」と気さくに話します。

「塗り絵もありますし、店内に飾ってある人形も、自由に触ってもらって大丈夫。でも、過剰に気を使いすぎることはしません。それは、子どもを特別扱いするのではなく、“当たり前のお客様”としてお迎えしたいから。僕たち飲食店側ができる準備をしっかりした上で、あとはご家族での時間を、周りを気にせずゆっくり楽しんでほしいんです」

 その言葉に、子どもがいるからと遠慮するのではなく、親子で外食する純粋な楽しさを心ゆくまで味わってほしい、という温かな想いを感じました。

キッチンカウンター内で笑顔の男性スタッフが立っているレストランの様子。頭上にはグラスが吊るされ、背景には業務用冷蔵庫やコンロ、鍋、炊飯器などの調理器具が見える。カウンターには調味料やボトル類が並び、アメリカンダイナー風の雰囲気が漂っている。
「あまり写真は慣れていなくて…」と照れ笑いの瀧谷さん
キッチンカウンター内で笑顔の男性スタッフが立っているレストランの様子。頭上にはグラスが吊るされ、背景には業務用冷蔵庫やコンロ、鍋、炊飯器などの調理器具が見える。カウンターには調味料やボトル類が並び、アメリカンダイナー風の雰囲気が漂っている。
「あまり写真は慣れていなくて…」と照れ笑いの瀧谷さん

いつでも、誰でも、どんな使い方でも

 オープンから約1年。「たまに『外から見ると入りづらそう』と言われることもあって(笑)」と瀧谷さんは笑います。その言葉の通り、同店はランチ利用はもちろん、デザートとドリンクだけのカフェ利用も大歓迎。どんな人にも、どんな使い方にもフィットする気軽さがありました。

「お客様が来てくれて、お店でゆっくり食事をしながら話しているのを見るたびに、こういう場所を作れてよかったな、と心から思います。まずは、このお店をしっかりと1年、また1年と続けていくこと。そして、この地域の方々にとって、気軽に立ち寄れる“いつもの食卓”のような存在になっていけたら嬉しいですね」

 瀧谷さんの「あったらいいな」が、優しさと美味しさになって詰まった『FAMILY DINER shrimp house』。今夜は思い切って家族みんなで、美味しいエビ料理を囲んでみませんか。

赤い外観のレストラン「FAMILY DINER shrimp house」の正面で、赤いエプロンを着けた男性スタッフが立っている様子。ガラス扉には「OPEN」のサインとメニュー看板があり、店内の市松模様の床と赤いギンガムチェックのテーブルクロスが見える。
赤い外観のお店からは、今日も美味しい匂いがする
赤い外観のレストラン「FAMILY DINER shrimp house」の正面で、赤いエプロンを着けた男性スタッフが立っている様子。ガラス扉には「OPEN」のサインとメニュー看板があり、店内の市松模様の床と赤いギンガムチェックのテーブルクロスが見える。
赤い外観のお店からは、今日も美味しい匂いがする
今回取材したのは…
赤い外観が目を引くレストラン「FAMILY DINER shrimp house」の正面。ガラス扉には「OPEN」のサインがあり、店内の市松模様の床と赤いギンガムチェックのテーブルクロスが見える。外壁にはメニュー写真が掲示されている。

FAMILY DINER shrimp house
WEBサイトInstagram

【施設住所】
〒183-0005 東京都府中市若松町2-7-10
TEL : 042-370-1201
※予約専用回線:050-1808-9212
(お電話の際は「府中で暮らそう!」を見たとお伝えください)

【営業時間】
11:00~22:00(L.O.21:30)

【定休日】
不定休

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

関口裕美のアバター 関口裕美 ㈱フォートリー 代表取締役

ライター。または広告をはじめとしたクリエイティブ制作事業および採用コンサルティング事業を営む株式会社フォートリー代表取締役。好きな食べ物はイギリス菓子といちごと「爺ヤンのブルーベリー畑」さんの採れ立てブルーベリー。
プライベートは1児の母。結婚を機に府中へ移り住み、季節毎にけやき並木で行われる恒例行事やイベントを家族で楽しんでいる。