喜びと楽しさをオーダーメイドで届けたい——理学療法士の発想で挑む「遊べるお菓子」

キッチンで笑顔を見せる女性が、クリスマスツリーの形をしたクッキーのデコレーションをプレートに乗せて持っている様子。背景にはレンガ調の壁と調理器具が並んでおり、温かみのある家庭的な雰囲気が感じられる。女性は白いブラウスと茶色のエプロンを着用しており、エプロンにはハートやクッキーの模様が描かれている。ツリー型クッキーには星やキャンディの装飾が施され、カラフルで楽しい印象。
「まぁーのお菓子なおうち」店主の吉田麻希子さん、ミモザハウスにて
キッチンで笑顔を見せる女性が、クリスマスツリーの形をしたクッキーのデコレーションをプレートに乗せて持っている様子。背景にはレンガ調の壁と調理器具が並んでおり、温かみのある家庭的な雰囲気が感じられる。女性は白いブラウスと茶色のエプロンを着用しており、エプロンにはハートやクッキーの模様が描かれている。ツリー型クッキーには星やキャンディの装飾が施され、カラフルで楽しい印象。
「まぁーのお菓子なおうち」店主の吉田麻希子さん、ミモザハウスにて

 府中で訪問型リハビリサービスの理学療法士(PT:Physical Therapist)として活動する吉田麻希子さん。彼女が手掛けるお菓子屋さんである「まぁーのお菓子なおうち」は、自らの夢をパワフルに現実へ変えていく姿を見せてくれます。本業の傍ら始めたお菓子づくりは、いまや副業の枠を越え、地域の人々を笑顔にするサイクルを生み出し続けています。働くことを楽しみ、多くの笑顔を創り出していくために、吉田さんが見つけた方法とはどのようなものなのでしょうか。

第二のキャリアに製菓の道を選んだきっかけとは

茶色のエプロンを着用した女性がオーブンの前で作業している様子。両手に青色でストライプ柄のオーブンミトンをはめ、オーブンからトレイを取り出しているところ。背景には大きな窓があり、外の光が入っている。右側にはデジタルタイマーが付いたオーブンが見える。カフェやベーカリーのような雰囲気の室内で、調理中の自然な瞬間が捉えられている。
お菓子屋さんを「第二のキャリア」として選んだ吉田さん
茶色のエプロンを着用した女性がオーブンの前で作業している様子。両手に青色でストライプ柄のオーブンミトンをはめ、オーブンからトレイを取り出しているところ。背景には大きな窓があり、外の光が入っている。右側にはデジタルタイマーが付いたオーブンが見える。カフェやベーカリーのような雰囲気の室内で、調理中の自然な瞬間が捉えられている。
お菓子屋さんを「第二のキャリア」として選んだ吉田さん

 日中は訪問リハビリの理学療法士として原付バイクを駆り、府中のまちを巡っているという吉田さん。多くの利用者様から愛され、求められている彼女も、過去には自らの働き方や将来に悩んだことがあったそうです。「自身のキャリアを見つめ直していたとき、友人から『自分の趣味を見直してみたら?』と助言を受けたんです。そこでパッと思い浮かんだのが、大好きなお菓子づくりでした」。

 幼い頃から母とともに楽しんでいたお菓子づくり。季節毎のイベントを大事にする家庭で育った吉田さんにとって、お菓子という存在は人々を笑顔にする原点にも思えました。

 最初に受けた注文は、友人のお子さんの誕生日を祝うお菓子だったそう。それを試しにInstagramへアップしたところ、次第に知人から「私にも作ってほしい」と連絡が来るようになったといいます。活動3年目に入る今では、年に80件以上のオーダーを受けるまでに成長しました。

Instagramのプロフィール画面。「まーののお菓子なおうち」というアカウント名で、お菓子やイベントに関する情報を投稿している。バイオにはデザート屋やイベント開催の情報、ハッシュタグが記載されている。アイコンは家のイラストが描かれている。「朝カフェ」や「販売情報」などのハイライトアイコンが並び、フィードには手作りお菓子やイベントの写真が複数投稿されている。暖かい雰囲気と可愛らしいデザインが特徴的。
インスタには楽しそうなお菓子が並ぶ

 お菓子屋さんを副業として始めるようになってから、本業である理学療法士の業務にも不思議と張り合いが出るようになったと語る吉田さん。まったく違う仕事だからこそ、それぞれが息抜きになっているように思えるといいます。

「リハビリとお菓子づくりって、一見関連性がないように見えますよね。でも、本当はどちらも『ひとの笑顔を作る仕事』なんです。リハビリで利用者様が元気を取り戻すことと、お菓子を通してお客様が喜んでくださること——どちらも辿り着く先は同じ『幸せ』だから、こうして頑張れているんだと思います

組み立てて遊べる一点もののアイシングクッキー

クリスマスをテーマにした可愛らしいアイシングクッキーとクッキー詰め合わせの写真。緑のツリー型クッキーには小さな飾りがデコレーションされ、星型のトップが載せられている。隣には、様々な種類のクッキーが箱に詰められており、チェック柄やチョコチップ入り、粉砂糖をまとったものなど色とりどり。背景は温かみのあるアイボリー色の布地で、全体的に温かく楽しい雰囲気が漂う。
2024年冬新作はクリスマスツリー組み立てクッキー缶
クリスマスをテーマにした可愛らしいアイシングクッキーとクッキー詰め合わせの写真。緑のツリー型クッキーには小さな飾りがデコレーションされ、星型のトップが載せられている。隣には、様々な種類のクッキーが箱に詰められており、チェック柄やチョコチップ入り、粉砂糖をまとったものなど色とりどり。背景は温かみのあるアイボリー色の布地で、全体的に温かく楽しい雰囲気が漂う。
2024年冬新作はクリスマスツリー組み立てクッキー缶

 吉田さんのお菓子には、見た目の楽しさと食べる楽しさが詰まっています。「まぁーのお菓子なおうち」のお菓子は、主に焼き菓子がメイン。中でも彼女が得意としているのは、子どもたちが自らの手で組み立てて遊べるキット型のアイシングクッキーです。今冬はクリスマスの時期に合わせて、自立するクリスマスツリー型のクッキーを企画しています。

コンセプトは、見て楽しく、食べて美味しいものを作ること。リハビリの仕事が本業だからこそ、知育菓子としても楽しんでもらえれば」と、吉田さん。どんな形にすれば飾り付けしやすいか、あるいは子どもたちの脳によりよく働きかけられるかを考える一方で、一緒にいる親のほうも童心に帰れるような体験を味わってほしいと願っています。

雛人形をモチーフにした、アイシングクッキーで作られた豪華な雛壇の写真。赤い布を模したデザインの雛壇に、雛人形や小道具が細かく再現されたクッキーが並べられている。金屏風やぼんぼり、菱餅なども表現されており、全体的にカラフルで可愛らしいデザイン。丁寧に作られたミニチュアのディテールが印象的で、ひな祭りの伝統的な雰囲気を楽しむことができる作品。背景はシンプルな白い壁で、クッキーの色彩が際立っている。
2023年春に制作したひな人形クッキーも大好評
雛人形をモチーフにした、アイシングクッキーで作られた豪華な雛壇の写真。赤い布を模したデザインの雛壇に、雛人形や小道具が細かく再現されたクッキーが並べられている。金屏風やぼんぼり、菱餅なども表現されており、全体的にカラフルで可愛らしいデザイン。丁寧に作られたミニチュアのディテールが印象的で、ひな祭りの伝統的な雰囲気を楽しむことができる作品。背景はシンプルな白い壁で、クッキーの色彩が際立っている。
2023年春に制作したひな人形クッキーも大好評

 ひな祭りに合わせた5段飾りや、子どもの日の『かぶと』をモチーフにした立体クッキーなど、吉田さんの作品は他では見られないユニークなものばかり。周囲から驚かれるほどの出来栄えは、1点1点を丁寧に手作りしているからこそ出せるクオリティです。

 「アイシングクッキーの強みは、あらゆるものをデザインに落とし込めること。これからもお客様の欲しいものに寄り添いながら、笑顔を引き出していきたいです」と、吉田さんは微笑みます。

やりたいことをやる「楽しい人生」を送るために

星形や円形に型抜きされたクッキーを焼き上げた女性が、オーブンからトレーを取り出している様子。女性は白いブラウスと茶色のエプロンを着用し、手にはオーブン用のミトンを着けている。エプロンにはかわいらしいイラストが描かれている。背景にはガラス窓があり、夜の景色がぼんやりと映り込んでいる。オーブン横には金属の天板が積み重なり、調理のプロセスが進行中であることが感じられる。
夜な夜なクッキーを焼き、飾り付けに没頭する日々
星形や円形に型抜きされたクッキーを焼き上げた女性が、オーブンからトレーを取り出している様子。女性は白いブラウスと茶色のエプロンを着用し、手にはオーブン用のミトンを着けている。エプロンにはかわいらしいイラストが描かれている。背景にはガラス窓があり、夜の景色がぼんやりと映り込んでいる。オーブン横には金属の天板が積み重なり、調理のプロセスが進行中であることが感じられる。
夜な夜なクッキーを焼き、飾り付けに没頭する日々

 二足の草鞋を履き、日々パワフルに過ごす吉田さん。どのようにしてそれぞれの仕事を両立しているのかを尋ねたところ、驚くべき過密スケジュールが浮かび上がってきました。

 「平日は週4日、訪問リハビリの業務に定時までかかっています。18時からは作業場としてお借りしているミモザハウスへ移動して、製菓の時間。没頭しているとついつい深夜までかかることもありますね」と笑う吉田さん。お休みは金曜の日中のみで、土日は地域のマルシェやハンドメイドイベント等に出店しています。

キッチンで笑顔を見せながら調理をする女性。彼女は白いブラウスと茶色のエプロンを身に着けており、エプロンには「お菓子の家」のイラストが描かれている。手には金属製のボウルとヘラを持ち、調理作業をしている様子。背景にはレンガ調の壁と調理器具が並び、温かみのある家庭的な雰囲気が広がる。左側にはガラス入りの扉が見え、キッチン全体が整然とした印象を与えている。
忙しい毎日の中でも、吉田さんは笑顔をたやさない
キッチンで笑顔を見せながら調理をする女性。彼女は白いブラウスと茶色のエプロンを身に着けており、エプロンには「お菓子の家」のイラストが描かれている。手には金属製のボウルとヘラを持ち、調理作業をしている様子。背景にはレンガ調の壁と調理器具が並び、温かみのある家庭的な雰囲気が広がる。左側にはガラス入りの扉が見え、キッチン全体が整然とした印象を与えている。
忙しい毎日の中でも、吉田さんは笑顔をたやさない

 「やりたいことを我慢して、後から後悔したくないんです。自分が死ぬときには『人生楽しかった!』と大満足して終わりたい。いつまで今の生活が続けられるかはわかりませんが、私が関わる人が一秒でも多く笑顔で過ごせるよう関われたらと思っています」。

日常を笑顔で彩るきっかけになりたい

明るい空の下にある一軒家「Mimosa House」の外観。建物は2階建てで、手すり付きの広いバルコニーが特徴的。1階部分にはガラスの引き戸があり、店内が少し見える。ガーデンエリアにはテーブルと椅子が配置され、リラックスした雰囲気を醸し出している。ドア付近にはエプロンを着た女性が2人笑顔で立ち、温かく迎えてくれる印象を与える。
ミモザマルシェは地域でも人気のイベントのひとつ
明るい空の下にある一軒家「Mimosa House」の外観。建物は2階建てで、手すり付きの広いバルコニーが特徴的。1階部分にはガラスの引き戸があり、店内が少し見える。ガーデンエリアにはテーブルと椅子が配置され、リラックスした雰囲気を醸し出している。ドア付近にはエプロンを着た女性が2人笑顔で立ち、温かく迎えてくれる印象を与える。
ミモザマルシェは地域でも人気のイベントのひとつ

 吉田さんは現在、是政にある「ミモザハウス」というシェアハウス&キッチンを借りてお菓子づくりに励んでいます。ミモザハウス内で定期的に行われるマルシェの他、「キテキテマルシェ」等にも出店しているそう。府中市内のイベント出店に積極的なのは、訪問リハビリで接する利用者様の存在が大きいといいます。

「身体が自由に動かせないと、どうしても日常の外出が億劫になりがちです。だからこそ、私が地域のマルシェやイベントに出ることで、リハビリ中のお子さんやご利用者様が外に出るきっかけのひとつになればと思っているんです」。今では吉田さんがイベントに出るたび、駅前や出店先まで通ってくれる常連さんもいるそうです。

 店舗を持つことにこだわらず、笑顔を届ける活動を続けていきたいという吉田さん。お祝いのシーンを笑顔で彩るようなお菓子を、これからも作り続けてくれるはずです。

明るい笑顔でオーブンから焼きたてのクッキーを取り出している女性の写真。星型やリース型のクッキーが並ぶ天板を、厚手のミトンを着けた手で持っている。背景にはシンプルな厨房が映り、クッキー作りの温かい雰囲気が伝わってくる。白いブラウスと茶色のエプロンが清潔感と親しみやすさを演出している。
美味しくて楽しいお菓子をこれからも作り続けていく
明るい笑顔でオーブンから焼きたてのクッキーを取り出している女性の写真。星型やリース型のクッキーが並ぶ天板を、厚手のミトンを着けた手で持っている。背景にはシンプルな厨房が映り、クッキー作りの温かい雰囲気が伝わってくる。白いブラウスと茶色のエプロンが清潔感と親しみやすさを演出している。
美味しくて楽しいお菓子をこれからも作り続けていく

夢を追いかける全ての人へ

 「今の仕事にプラスして、自分の好きなことを形にしたいと思っている人たちに、私の活動が参考になれば嬉しい」と語ってくれた吉田さん。自分らしい働き方で、自分も周囲も笑顔にすることができる——その素晴らしさと魅力を、『まぁーのお菓子なおうち』という実践を通じて伝えてくれました。

明るい日差しの下、ミモザハウスの外観。白い壁と黒いフレームのガラスドアが特徴的で、建物の前にはスタイリッシュなデザインの椅子とテーブルが配置されているテラスがある。周囲には緑が配置されており、落ち着いた雰囲気が感じられる。壁には「MIMOSA HOUSE」と書かれたサインが見える。
明るい日差しの下、ミモザハウスの外観。白い壁と黒いフレームのガラスドアが特徴的で、建物の前にはスタイリッシュなデザインの椅子とテーブルが配置されているテラスがある。周囲には緑が配置されており、落ち着いた雰囲気が感じられる。壁には「MIMOSA HOUSE」と書かれたサインが見える。

■2024年12月のお知らせ(本記事掲載時点)※ご紹介商品の受付は終了しています。

クリスマスツリー組み立てクッキー缶:4,800円+送料

今年はクッキー缶に、組み立てクッキーを詰めてお届けします!
ご注文は2024年12月4日までInstagram上で行います。
※受付終了済

クリスマスをテーマにした可愛らしいアイシングクッキーとクッキー詰め合わせの写真。緑のツリー型クッキーには小さな飾りがデコレーションされ、星型のトップが載せられている。隣には、様々な種類のクッキーが箱に詰められており、チェック柄やチョコチップ入り、粉砂糖をまとったものなど色とりどり。背景は温かみのあるアイボリー色の布地で、全体的に温かく楽しい雰囲気が漂う。

【内容】
缶入りクリスマスツリー組み立てクッキーセット+6種類のクッキー

*アイシングツリークッキー 2個
*星クッキー 1個
*オーナメントクッキー 16個

*フロランタン 4個
*スノーボール 5個
*ショートブレッド 4個
*ディアマンクッキー 10個→10種類別の物にします!(写真はイメージ)
*アイスボックスクッキー 4個(抹茶、ストロベリー各2個)
*コーヒークッキー 8個

今回取材したのは…
ピンク色の背景に白いデザインで描かれた「まぁーのお菓子なおうち」のロゴ。中央にはハートマークがあり、文字が丸みを帯びた可愛らしいフォントで配置されている。全体的に柔らかい雰囲気を演出しており、ロゴから親しみやすさと温かさが伝わるデザインとなっている。

おまぁーのお菓子なおうち
公式Instagram公式LINEBASE

実店舗なし。
ミモザハウスによる定期マルシェの他、不定期のイベント出店がメインとなります。

【注文方法】
随時オーダーを受け付けています。
公式Instagram公式LINE、またはBASEよりご注文ください。

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この記事を書いた人

関口裕美のアバター 関口裕美 ㈱フォートリー 代表取締役

ライター。または広告をはじめとしたクリエイティブ制作事業および採用コンサルティング事業を営む株式会社フォートリー代表取締役。好きな食べ物はイギリス菓子といちごと「爺ヤンのブルーベリー畑」さんの採れ立てブルーベリー。
プライベートは1児の母。結婚を機に府中へ移り住み、季節毎にけやき並木で行われる恒例行事やイベントを家族で楽しんでいる。