2024年11月3日(日・祝)、府中市内にある「府中刑務所」が1日限定で一般公開される「第49回 府中刑務所文化祭」に行ってきました。普段なかなか立ち入ることのできない”刑務所”の中が見られると聞いて、家族3人(夫と4歳の息子)といっしょに参加。当日の様子を、今回は子連れ視点からレポートします!
「第49回 府中刑務所文化祭」とは
府中刑務所では、毎年11月3日の文化の日に、受刑者の手作り製品の即売会や各種イベントなどを行う「府中刑務所文化祭」を開催しています。府中では年に一度の恒例行事として親しまれており、刑務所が持つ役割を改めて考え、理解できる貴重な機会です。
文化祭という名の通り、実施される企画やプログラムは盛りだくさん!受刑者が手掛けた雑貨や家具などの「刑務作業製品」の販売や模擬店、トークショー、所内見学ツアーなど、この文化祭でしか味わえない体験や経験、出会えないアイテムがたくさんあるのが魅力です。
ちなみに本イベントは、当WEBメディアでも以前にイベント情報として取り上げていました。イベントについての詳細が知りたい方や、もっと詳しいプログラム内容に興味がある方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください!
開場前から大行列!
当日は府中駅から京王バスで現地まで向かい、開場時間の30分前から気合を入れて、いざ会場入り。
……と向かってみると、まだ9時30分過ぎだというのに、すでに長蛇の列ができているではありませんか!以前から「府中刑務所の文化祭は例年かなり並ぶ」とウワサで聞いていた通り、この時点で人気の高さがうかがえました。
特に、府中刑務所9の調理工場で受刑者の方々が焼くパンについては事前整理券制だったのですが、こちらは私たちの到着時点で、既に整理券配布が終了。30分前でも間に合わないとは……!1個100円という値段と、バックストーリーの珍しさもあって、やはり皆買いたくなるものなんですね。もしも「絶対にパンは欲しい!」という方であれば、現地入りの時間については、ある程度並ぶ覚悟をしておく必要がありそうです。
待機列は3列構成で、それぞれ所内見学・パン購入列・その他と分かれています。事前情報によると、刑務所内を見て回ることのできる「所内見学」も、時間指定の整理券をあらかじめ取得しておく必要があるとのこと。今回は子連れだったということもあり、子ども向けのエリアを中心に回ることにしていたため、所内見学は見送ります。出店ブースや展示などを見るための通常列に並びました。
充実した企画展示コーナー
入口でもらったチラシを片手に、まずは子ども向けに実施されている企画展示を回ってみます。
初めに訪れたのは、敷地内武道場の中で行われていた「ちびっこ刑務官」の撮影コーナー。こちらのコーナーでは、刑務官の制服をお借りしたうえで、持ち込みのスマホやカメラで写真を撮ることができます。子どもサイズの服は多めに用意されており、大人用のサイズもあるようでした。
さらに!こちらのコーナーでは、刑務官の方に撮影してもらった写真を使って、オリジナルの缶バッチも作成いただけます。刑務官に扮した自分の顔が缶バッチになり、息子も大喜びでした。
その隣には、身体に不自由を抱える受刑者たちが作ったかわいい紙人形たちの展示コーナーが。府中刑務所では令和2年から、高齢者や身体障害、精神障害などを抱える受刑者の方々を対象として、認知機能や身体機能の維持・向上を目指したプログラムが導入されているとのこと。この紙人形もリハビリの一環として制作されたもののようでした。「かわいい!」と私の息子も大喜びで、お気に入りの子をお持ち帰りすることに。
大人は、近くにあった「性格検査」コーナーを体験。受刑者の性格を把握するために行われている検査の簡易版ということで、10問程度の質問に回答。結果は…なるほど、「確かにそうかも!」と思える内容でした。
傍らには、ふるさと納税における府中市の新たな返礼品として新たにお披露目された、府中刑務所×人気漫画「刃牙」シリーズのコラボTシャツの展示もありました。作者である板垣恵介先生は、平成26年から「武蔵国 府中大使」に任命されていらっしゃることもあり、まさに府中に根差した作家さんによる作品発信ですね。
種類豊富な飲食ブースでグルメを堪能
会場内では食欲をそそる香りが漂い、多くの飲食ブースが並んでいました。各ブースを運営しているのは、現職の刑務官の方々をはじめ、NPO法人や社会福祉法人などさまざま。中には所内で行われている部活団体が運営するブースもあります。
販売されているメニューは、焼き鳥やフランクフルト、タコ焼きなどのお祭りメニューが中心。値段もお手頃で、子どもから大人までが次々と列をなしていました。
いくつかテーブルなども用意されていましたが、混雑する中では十分とは言えない数。ほとんどの来場者は、近くの草地などに座ったり、立ったまま食べたりしていました。そのまま腰を下ろすのに抵抗があるなら、携帯用のイスやシートがあれば、より快適に過ごせるかもしれませんね。
人気の「プリズン・カレー」を実食!
会場内でも、ひときわ長い列ができていたのが、府中刑務所名物の「プリズン・カレー」。このカレーは、実際に刑務所の中で提供されているカレーのレシピをもとに作られているそう。私もぜひ味わってみたいと思い、長蛇の列の最後尾へ。見た目には相当な人数が並んでいるようでしたが、オペレーションが良いのか、案外サクサク進みます。並び始めてから、だいたい20〜30分程度で購入することができました。
待ちに待ったプリズン・カレーは、予想以上のスパイシーさと深いコクが特徴的。ゴロゴロと大きくカットされた鶏肉や人参、じゃがいもがたっぷり入っていて、噛むたびに素材の旨みがしっかり感じられます。鶏肉には香ばしい焼き目が付いていて食感も抜群!麦飯との組み合わせも食べ応えがあり、一皿で大満足のボリュームです。
価格は800円と少し高めかもしれませんが、「刑務所だけの味」を楽しむために一度は食べてみる価値ありです!
子どもが大興奮!「はたらく車」体験ブース
イベントには、子どもたちが大喜びする「はたらく車」の体験ブースも出展!かっこいいパトカーや消防車、白バイなどが展示され、運転席に座って実際のハンドルを握ることができる貴重な体験に、子どもたちの目はキラキラ。
特に人気だったのは、子どもが自分で運転できる「ミニ消防車」のコーナー。どの子もみんな楽しそうにハンドルを切り、まるで本物の消防士になったかのように夢中でした。
消火器の体験コーナーは、大人にも一見の価値があります。本物の消火器を手に、ピンの抜き方や噴射方法などが体験できる機会はそう多くありません。災害時、近くに消火器があったとしても、咄嗟に動けなければ意味がありません。こうしたコーナーで前もって操作方法を理解しておけば、有事の際も動きやすそうです。
このように、さまざまな体験や、実際の刑務官の方々と触れ合うことができ、大満足の一日が過ごせました!
まとめ:自分らしい楽しみ方を見つけよう
人気の高さが伺えた「第49回 府中刑務所文化祭」。朝から行列ができるので、早めの来場に加え、当日どう立ち回るかを事前シミュレートしておくのがポイントだと感じました。
家族での参加以外にも、友人や知人と誘い合わせて、一緒に回るのも学びが多そう。今年は子ども中心でしたが、来年以降は大人目線を大切に回ってみたいですね。