「貸し切りの隠れ家で楽しむ、日本酒と旬の和食」──梵 SOYOGIの魅力

緑色の和装を着た男性が、「SOYOGI」という看板の下で大きな酒瓶を手に持ち、控えめに微笑んでいます。背景には黒い壁と建物の入り口が見え、落ち着いた雰囲気の中、日本酒を紹介している様子が伝わります。
「梵 SOYOGI」店主の金森惟方さん、店先にて
緑色の和装を着た男性が、「SOYOGI」という看板の下で大きな酒瓶を手に持ち、控えめに微笑んでいます。背景には黒い壁と建物の入り口が見え、落ち着いた雰囲気の中、日本酒を紹介している様子が伝わります。
「梵 SOYOGI」店主の金森惟方さん、店先にて

「60歳から動くより、50代から動く方が身体も動く――そう考えて、長く勤めた製薬メーカーを56歳で早期退社したんです」。そう笑うのは、美好町通り沿いで日本酒主体の和食酒処「梵 SOYOGI」を営む、店主の金森惟方さん。旧甲州街道と新甲州街道の間、美好町公園入口交差点近くに、その隠れ家はあります。

やりたいことに挑戦するなら、少しでも若い方がいい。もともと定年後は会社に残らず、何かやろうと思っていたという金森さんが目指した次のキャリアは、大好きな日本酒主体の店を始めること。若い頃から料理を愉しみ、人生を通じてその情熱を深めてきた彼ならではの集大成が、58歳でオープンした「梵 SOYOGI」という店でした。

全国から厳選して集めた日本酒と厳選素材とともに、ぜいたくな隠れ家のような空間を創り上げる彼に、お店のこだわりと楽しみ方を伺いました。

自由に楽しめる“完全貸し切り制”の隠れ家

厨房カウンターの奥で、緑の作務衣を着た男性が笑顔でおもてなしの仕草をしています。周囲には調理器具や鍋が整然と並び、家庭的な雰囲気が感じられます。
完全貸し切り制の店内では、店主である金森さんとのコミュニケーションも楽しみのひとつ
厨房カウンターの奥で、緑の作務衣を着た男性が笑顔でおもてなしの仕草をしています。周囲には調理器具や鍋が整然と並び、家庭的な雰囲気が感じられます。
完全貸し切り制の店内では、
店主とのコミュニケーションも楽しみのひとつ

「誰にも気兼ねすることなく、自由な時間をくつろいでもらいたいんです」
そう語る金森さんが大切にしているのは、完全予約・貸し切り制のお店であること。

金森さんの仕事は、予約を受け付けた時点から始まります。まずは素材集め。鮮魚を地方から取り寄せたり、季節の野菜を仕入れたりと、各地への手配が始まります。アレルギーや嫌いなものにもしっかり対応。コースの構成やメイン料理も、お客様の人数やシーンに合わせて柔軟に対応しています。

温かみのある木製テーブルと椅子が並ぶ小さな店内の様子。玄関にはスリッパラックや傘立てが置かれ、白いカーテンと照明が柔らかい雰囲気を演出しています。家庭的で落ち着いた空間が広がっています。
木目調のレイアウトは、いつまでも腰を据えていたくなる居心地のよさがある
温かみのある木製テーブルと椅子が並ぶ小さな店内の様子。玄関にはスリッパラックや傘立てが置かれ、白いカーテンと照明が柔らかい雰囲気を演出しています。家庭的で落ち着いた空間が広がっています。
木目調のレイアウトは、
いつまでも腰を据えていたくなる居心地のよさがある

お店の規模はこじんまりとしたもので、カウンターが5席に、テーブル席が8~12席ほど。とはいえ、どれだけ少人数のお客様からのご予約であったとしても、予約が入った時点で貸し切り対応にしてしまうため、大抵は広々と使えるそう。他のお客様と被ることもないため、話した内容が他に聞かれることもありません。込み入った商談や会食、趣味の友人との集まりにもぴったりです。

お子様連れのお客様も大歓迎です。以前いらした『ママ友会』の皆さまには、お子様に当店の動画配信サービスをお見せして、その間に親御さんにゆっくりとコースをお楽しみいただきました」と金森さん。大切な時間を、人の目を気にすることなく過ごせる安心感が、静かにリピーターを増やしています。

旬と個性が響き合うオーダー体験

『梵 SOYOGI』の食事は、コース利用が前提。昼夜ともに料金は変わらず、3,800円/4,800円/7,500円(税別)の3種類からコース選んでいただくそうです。「ドリンク代は別にいただいています。飲み放題プランなどは特にありませんが、その代わり、何時間お楽しみいただいても大丈夫です」と、金森さん。

季節に応じて、旬の素材やおすすめの料理を出している『梵 SOYOGI』。ですが、決して既存の型に囚われることはありません。「利用時にはぜひ、食べたいものを教えてほしい」という金森さんの言葉通り、『梵 SOYOGI』のコースはお客様のリクエストに応じたオーダーカスタマイズ制。「あれが食べたい」という声があれば、積極的にメニューに組み込んでいます。

季節ごとの料理例

この時期にしか堪能できない「香箱蟹」
この時期にしか堪能できない「香箱蟹」

特別企画/香箱蟹コース:11月中旬~12月末限定

毎年大人気!北陸地方で獲れる雌のズワイガニを、手を汚さずに食べられるよう甲羅に納めてご提供。
・7,500円コース(香箱蟹1杯)
・10,000円コース(香箱蟹1杯&香箱蟹小鉢+香箱蟹飯で計2杯を使用)

通常コース:通年

すべてのコースには能登の鮮魚、信玄どりが入ります。
細かいメニュー内容は季節やお客様のお好みなどにより異なります。
・3,800円コース(8品)
・4,800円コース(10品)
・7,500円コース(12品/特別料理含む)

豆乳だしでいただく「鰤しゃぶ」:2月以降

「氷見の寒ブリ」と同じ漁場で獲れる、脂の乗った鰤を楽しめます。

能登直送の鮮魚料理

白身魚を使った刺身や天ぷら。青がにやふぐなど季節に応じた素材が強みです。

信玄鶏の焼き物

山梨の無添加飼料で育った鶏肉のジューシーな逸品。

「お酒と料理で遊ぶ」――80種類以上の厳選日本酒

「日本酒と合わせながら、いろいろな料理を少しずつ楽しんでもらいたい」と語る金森さん。大の日本酒好きだからこそ、すべての料理は日本酒とペアリングできるよう考えているのだとか。

冷蔵庫に並べられた日本酒の瓶の写真です。「春心」や「宗玄」など、ラベルに和風の文字が描かれたボトルが目立ちます。それぞれ異なる色や形の瓶が冷蔵棚に整然と置かれており、特産の地酒が揃えられている様子が見られます。
店主こだわりの日本酒が美しく並ぶ
冷蔵庫に並べられた日本酒の瓶の写真です。「春心」や「宗玄」など、ラベルに和風の文字が描かれたボトルが目立ちます。それぞれ異なる色や形の瓶が冷蔵棚に整然と置かれており、特産の地酒が揃えられている様子が見られます。
店主こだわりの日本酒が美しく並ぶ

『梵 SOYOGI』では、北は秋田から南は佐賀まで、約80種類以上の日本酒を常備。どれも金森さんが酒屋や酒蔵を巡り、自ら選んだものばかり。「お客様のお好みを伺いながら、最適なお酒をご提案するのが楽しいんです」と笑う金森さんのお店の冷蔵庫には、日本酒好きにはたまらない品々がずらりと並んでいます。

おすすめ銘柄の一例:

  • 「びわこのくじら」(滋賀):しっかりとした味わいで、脂の乗った焼き鳥との相性抜群
  • 「春心」(石川):しっかりとした旨味と爽やかな酸味
  • 「Te to Te(てとて)」滋賀):フルーティーで軽やかな甘みが、後口に程よいキレ

「お気に入りの1本を探す感覚で楽しんでほしい」という金森さんのサービス精神もあって、ついつい盃が進んでしまうお客様も多いのだそう。

ちなみに『梵 SOYOGI』では、お酒が飲めない人でも雰囲気をじゅうぶんに楽しんでもらえるよう、ノンアルコール飲料も充実。お子様が多い予約時には、ジュースのラインナップもより一層増やしておくのだとか。「飲めない方も遠慮せずに、料理だけでも楽しんでください」と笑顔を見せてくれました。

食と交流が生む、地域の新しい風景

『梵 SOYOGI』では、こだわりの日本酒や料理だけでなく、絆を深める関係づくりも大切にしているとのこと。繋がりのある事業者とも協業しながら、発酵食品を楽しむ“麹教室”のワークショップや、多彩な事業者が集まるフェス企画などを定期開催しています。

「貸し切り空間だからこそ、イベントも自由な発想で行っています。『開催してみたい』という声があれば、うちの店を活用して発信の場にしてもらえれば」。『梵 SOYOGI』は、いまや単なる酒処を超え、多様な交流の場へと進化しつつあります。

11月3日(日)~4日(月)は、年4回のペースで定期開催している独自イベント企画「スマイル・フェス」の実施日。ソフトドリンクやお酒を愉しみながら、さまざまな出展者が織りなすブースを楽しめるそうです。

「スマイル・フェス」の詳細は、本記事下部でご案内しています!👇

心地よいひとときが味わえる隠れ家で

まるで隠れ家のようなお店で味わえるのは、単なる食事ではありません。季節の和食と、それらを引き立てる特別な日本酒を楽しみながら、誰にも邪魔されない貸し切り空間で、心ゆくまでリラックスできる場所――それが『梵 SOYOGI』です。

「お客様と過ごす時間が、何よりの楽しみなんです」とほほ笑む金森さん。これからも挑戦を続け、人々に愛される店へと育てていこうとする彼の姿勢こそ、このお店の一番の魅力だと感じました。

緑色の和装をした男性が、「BIWAKO NO KUJIRA」というラベルの瓶を両手で持ち、微笑んでいます。明るい室内で、落ち着いた雰囲気の中、日本酒を紹介している様子が伝わります。
「ぜひお越しください」と笑顔の金森さん
緑色の和装をした男性が、「BIWAKO NO KUJIRA」というラベルの瓶を両手で持ち、微笑んでいます。明るい室内で、落ち着いた雰囲気の中、日本酒を紹介している様子が伝わります。
「ぜひお越しください」と笑顔の金森さん

■2024年11月のお知らせ(本記事掲載時点)

A. 香箱蟹コース:2024年11月中旬~12月25日まで
香箱蟹(ズワイガニの雌)の猟期であるこの時期の限定予約メニュー。
① 7,500円:香箱蟹1杯
②10,000円:香箱蟹2杯(甲羅1杯+蟹小鉢+香箱飯)

B. 麹ランチ(2部制・要予約):2024年11月5日(毎月第1火曜日)
腸から元気になる麹調味料で作る発酵ランチ。1食1,200円の月替わりメニューです。
①1部/11:00~13:30(10名)
②2部/13:30~15:00(10名)
酵ランチイベントの告知画像です。「腸内環境を整える発酵ランチ」と題し、毎月第1火曜日に開催される旨が記載されています。メイン料理は「麹調味料をふんだんに使った発酵煮込みハンバーグ」で、価格は1200円です。11時~12時半と13時半~の2回に分けて各10名、計20食限定で提供されます。予約はInstagramのDMまたは公式LINEで受付。画像には料理や店舗外観、QRコードも含まれています。

C. スマイル・フェス
開運を呼ぶ「九星気学占い」や「数秘術」、「お財布リーディング」、「マヤ歴」、「整体」など、さまざまなブースを1コマ(20分)2,000円で試せます。その他、無農薬野菜の販売や、各種お酒やドリンクも楽しめます。ごゆっくりお過ごしください。

※2024年12月10日(水)追記
次回は2025年2月22日(土)、23日(日)、 24日(月・祝)を予定しております。

上記以外に、通常の貸し切り予約も随時受付しています。

ご予約の際は公式LINE、または以下の番号までショートメールをお送りください。
TEL:080-2392-7431

『梵 SOYOGI』公式LINE

和食酒処「梵-soyogi-」の公式LINE登録用QRコード。
今回取材したのは…
黒い壁に取り付けられた「SOYOGI」という店の看板の写真です。看板には青い筆書き風の漢字「楚」の文字が目立ち、その下に「SOYOGI」とローマ字で表記されています。

梵 SOYOGI

〒183-0045
東京都府中市美好町3-9-3 ゴールドフォレスト101
TEL : 080-2392-7431

営業時間 : 完全予約制のため希望に応じて開店
定休日:なし(曜日を問わず予約可)

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この記事を書いた人

関口裕美のアバター 関口裕美 ㈱フォートリー 代表取締役

ライター。または広告をはじめとしたクリエイティブ制作事業および採用コンサルティング事業を営む株式会社フォートリー代表取締役。好きな食べ物はイギリス菓子といちごと「爺ヤンのブルーベリー畑」さんの採れ立てブルーベリー。
プライベートは1児の母。結婚を機に府中へ移り住み、季節毎にけやき並木で行われる恒例行事やイベントを家族で楽しんでいる。