美食×スポーツへの熱狂──「2nd FIVE-EIGHTHS」が生み出すシナジー

店主が2本のワインボトルを持ちながら笑顔を見せている写真。背景にはラグビーのユニフォームや装飾品が飾られており、スポーツバーの雰囲気が強調されている。
2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)店主・高橋慶成さん
店主が2本のワインボトルを持ちながら笑顔を見せている写真。背景にはラグビーのユニフォームや装飾品が飾られており、スポーツバーの雰囲気が強調されている。
2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)店主・高橋慶成さん

 ラグビーのまちとしても知られる東京・府中で、スポーツを楽しみながら美味しい料理を楽しめるお店があります。スポーツダイニング「2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)」は、30年のレストラン勤務経験を持つ店主・高橋慶成さんが経営するカジュアルアイリッシュパブスタイルです。ラグビーファン垂涎のグッズが並ぶ店内で提供されるのは、予想以上に本格的な料理とワインの数々。スポーツファン以外にも愛される店づくりの秘訣に迫りました。

ラグビーのまち・府中で発信する新しい価値

 店名の『2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)』は、ラグビーのポジションである背番号12番(インサイドセンター)に由来します。また、府中を本拠地とする東芝ブレイブルーパスのレジェンド選手リチャード・カフイへの敬意や、12番ポジションの重要性に対する思いも込められています。

 「府中は『ラグビーのまち』でありながら、スポーツバーやスポーツダイニングなど、試合を皆で楽しめる施設がそれほど多くあるわけではありません。ラグビーのような伝統あるスポーツを、今の若い世代に知ってもらう機会も限られています。だからこそ、スポーツと食を通じて新しい価値を提供したいと考えました」

店内のカウンターと飾られた装飾品が映された写真。カウンター上にはラグビー関連の旗や小物が多数配置され、壁には試合の映像が流れるモニターがある。
6台のモニターが常に賑わう
店内のカウンターと飾られた装飾品が映された写真。カウンター上にはラグビー関連の旗や小物が多数配置され、壁には試合の映像が流れるモニターがある。
6台のモニターが常に賑わう

 店内を特徴づけるのは、3方向に設置された6台のモニター。最大6種目の競技を同時に楽しむことができる充実した設備は、オリンピックシーズンにも対応可能です。

「モニターを複数設置することで、お客様同士が向き合って会話できるよう工夫しました。スポーツ観戦を楽しみながらも、リアルなコミュニケーションでも盛り上がってほしいという想いからです」

店主が白と赤のマスコットキャラクターと一緒にテーブルで笑顔を見せている写真。背景にはスポーツやラグビー関連の装飾品や写真が賑やかに飾られており、店内の温かみのある雰囲気が伝わる。
ラグビーワールドカップ日本大会公式マスコット「レンジー」と共に
店主が白と赤のマスコットキャラクターと一緒にテーブルで笑顔を見せている写真。背景にはスポーツやラグビー関連の装飾品や写真が賑やかに飾られており、店内の温かみのある雰囲気が伝わる。
ラグビーワールドカップ日本大会公式マスコット「レンジー」と共に

 店内には貴重なユニフォームやサインも数多く展示され、スポーツファンの目を楽しませています。「ライブ中継だけでなく、お客様のリクエストに応じて、過去の名勝負なども楽しんでいただけます。モニターを見ながら、思い出話に花を咲かせるお客様も多いんですよ」と、高橋さん。

おもてなしの心を育んだホテルマン時代

 19歳でアメリカへ留学した高橋さん。経済危機の渦中で目にした光景は、その後の人生観に大きな影響を与えることになります。

テーブルでくつろぎながら微笑む店主の写真。背景にはスポーツ選手のイラストやサイン色紙が壁に飾られ、スポーツをテーマとした店内の特徴が伝わる。
海外生活で人生観が大きく変わった
テーブルでくつろぎながら微笑む店主の写真。背景にはスポーツ選手のイラストやサイン色紙が壁に飾られ、スポーツをテーマとした店内の特徴が伝わる。
海外生活で人生観が大きく変わった

「大きな交差点で『仕事をください』『住むところをください』と書かれた段ボールを掲げる人の多さと、その人々のほとんどが元ホワイトカラーであるだろうことに驚きました。当時のアメリカでは、仕事を失うことが、そのまま家庭崩壊にもつながっていく──その現実を目の当たりにして、自分の将来について深く考えるきっかけとなりました」

 帰国後、高橋さんはかねてから興味のあったホテル業界への道を選びます。こうして働き始めたホテルニューオータニでしたが、そこで気づいたのは、外国人観光客への対応に苦心する現場の姿でした。かろうじて英語メニューはあったものの、実際の料理の説明については不十分で、他にもベジタリアンや宗教上の制限がある方々など、細かいところまで配慮が行き届いていなかったのです。そこで高橋さんは詳細な英語メニューを作成し、一人ひとりのニーズに合わせた提案を心がけるようにしました。

 結果、高橋さんの取り組みは大成功。海外のお客様から喜ばれ、接客の楽しさを改めて知ったといいます。

「他にも、結婚式で地方から来られた親族の方々が、『東京』や『一流ホテル』という言葉に緊張されている様子だった際に『特別なことじゃないんです。普通に楽しんでください』と声をかけると、ほっとしていただけて……その方々は、その後もご贔屓様として通ってくださるようになりました」

ラグビーをテーマにしたバーのカウンター。壁にはラグビー関連の旗やユニフォーム、選手の写真、トロフィーが飾られており、華やかな装飾が特徴。メニューが黒板に手書きで書かれ、カウンターには観葉植物や小物が置かれている。
店を愛する常連客には有名現役選手も多い
ラグビーをテーマにしたバーのカウンター。壁にはラグビー関連の旗やユニフォーム、選手の写真、トロフィーが飾られており、華やかな装飾が特徴。メニューが黒板に手書きで書かれ、カウンターには観葉植物や小物が置かれている。
店を愛する常連客には有名現役選手も多い

 大切なのは、目の前のお客様と真剣に向き合い、本気で寄り添っておすすめすることだと学んだ高橋さん。その後は30年間にわたって、イタリアンやフレンチのレストランで経験を積み、ワインの専門知識も深めていきました。「客単価の高い店舗から、カジュアルなビストロまで、様々な業態を経験できたことは、現在の経営に大きく活きています」と微笑みます。

プロフェッショナルが提案する極上の一杯

 こうした経緯から出店した「2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)」だからこそ、提供されるメニューは、単なるスポーツダイニングの枠を越えたもの。中でも高橋さんが特にこだわっているのが、ワインと料理の質です。

店主が持つ2本のワインボトルの近接写真。1本は黄色いラベルの「Feudo Arancio」、もう1本は白いラベルの「DONNA MARZI」と記載されている。
ワインはどれも高橋さんが厳しい目で選び抜いたもの
店主が持つ2本のワインボトルの近接写真。1本は黄色いラベルの「Feudo Arancio」、もう1本は白いラベルの「DONNA MARZI」と記載されている。
ワインはどれも高橋さんが厳しい目で選び抜いたもの

 店では常時8種類のグラスワインに加え、豊富なボトルワインをラインナップ。ボトルであればメニュー上だけで13本程を記載しており、他にもいくつか貯蔵があります。お客様との対話を通じて、その日の気分や料理に合わせた最適な一杯を提案しているのだとか。お客様との対話からヒントを得ることも多いそうです。

 たとえばイタリア・ヴェネツィアの思い出を語るお客様には、エピソードに合わせてイタリアのワインをチョイス。過去の思い出や記憶が、時にはいつも以上の美味しさを呼び起こすこともあります。その場を楽しくするワインの選び方は、必ずしも値段だけではありません。

店主が2本のワインボトルを持ちながら笑顔を見せている写真。背景にはラグビーのユニフォームや装飾品が飾られており、スポーツバーの雰囲気が強調されている。
シチュエーションに応じた一杯と出逢える
店主が2本のワインボトルを持ちながら笑顔を見せている写真。背景にはラグビーのユニフォームや装飾品が飾られており、スポーツバーの雰囲気が強調されている。
シチュエーションに応じた一杯と出逢える

「お客様の好みや、ワインに対する経験値は千差万別です。例えば白ワインなら、キリッとドライな味わいを好む方もいれば、フルーティーな味わいを求める方もいる。私たちの仕事は、そのニュアンスを丁寧に汲み取って、ぴったりの一杯を見つけることなんです」

 定期的に開催されるワインセミナーも好評を博しています。年齢や経験に応じて、ワインの基礎知識からマナーまで幅広く学べます。「特に若い方向けには、デートや接待でも活用できる実践的なアドバイスを心がけています」と、高橋さんは笑います。

スポーツと食文化の未来を育む

「スポーツバーは『お酒を飲む人』や『スポーツファン』だけのものという固定観念を壊したいんです。お酒が飲めなくても、スポーツに詳しくなくても、全く問題ありません

 スポーツバーならではの躍動感と、ワインバーのような"遊び"を併せ持つ「2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)」で、高橋さんは新しい食文化を育んでいます。

カウンター越しに笑顔で接客している店主の写真。カウンターには「友だち募集中」のQRコードやメニュー案内が見える。背景にはラグビー関連の旗や写真が飾られ、活気あふれる店内が感じられる。
スポーツ愛好家以外にもファンは多い
カウンター越しに笑顔で接客している店主の写真。カウンターには「友だち募集中」のQRコードやメニュー案内が見える。背景にはラグビー関連の旗や写真が飾られ、活気あふれる店内が感じられる。
スポーツ愛好家以外にもファンは多い

 人気のランチ営業も、より多くの方に気軽に足を運んでもらいたいという想いから始めたもの。他にも、アルコールが飲めないお客様にも喜んでもらうため、アルコールを除去した本格派のノンアルコールワインもご用意しています。コロナ禍でアルコール提供ができない時期に探したもので、数多くの吟味を繰り返して選び抜いた逸品です。

 「お客様が普段知らないような新しい味わいを提案していくことも、私たちの大切な役割です」と、高橋さん。これからも、幅広いお客様が同じように楽しめる場を創出していきたいと語ります。

「スポーツを通じた交流の場として、あるいは単なる行きつけのダイニングレストランとして、このお店が皆様の『居場所』になれば嬉しいですね」

新しい発見と感動の場所へ

 「府中には世界レベルで活躍するラグビー選手が多くいます。この街の誇りである彼らを、より多くの方に知っていただき、応援していただきたいです」と微笑む高橋さん。

 食とスポーツ、そして人々が出会うこの空間なら、きっと大切な仲間との特別な時間が過ごせるはずです。高橋さんの温かなおもてなしと、こだわりの料理、そして心地よい空間が、あなたを待っています。

店舗全体の外観と、エプロン姿で立つ店主の写真。看板には「2nd FIVE-EIGHTHS」と書かれ、ランチメニューの看板や樽、停められた自転車が店舗の個性を演出している。
それぞれの楽しみ方を見つけてほしい
店舗全体の外観と、エプロン姿で立つ店主の写真。看板には「2nd FIVE-EIGHTHS」と書かれ、ランチメニューの看板や樽、停められた自転車が店舗の個性を演出している。
それぞれの楽しみ方を見つけてほしい
今回取材したのは…
「2nd FIVE-EIGHTHS」の看板が掲げられた店舗外観の写真。入り口には自転車や樽が置かれ、店内にはスポーツ関連のポスターがガラス越しに見える。

2nd FIVE-EIGHTHS(セカンドファイブエイス)
WEBサイトInstagramX(旧Twitter)

【店舗住所】
〒183-0055 東京都府中市府中町2-6-1 1F
TEL : 042-203-1033
(お電話の際は「府中で暮らそう!」を見たとお伝えください)

【営業時間】
◆火曜日〜金曜日
11:30-15:00(L.O.14:30)18:00~23:00(L.O. 22:30)

◆土曜日・日曜日・祝日
12:00~23:00(L.O.22:30)

【定休日】
月曜日(祝日の場合は営業)

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この記事を書いた人

関口裕美のアバター 関口裕美 ㈱フォートリー 代表取締役

ライター。または広告をはじめとしたクリエイティブ制作事業および採用コンサルティング事業を営む株式会社フォートリー代表取締役。好きな食べ物はイギリス菓子といちごと「爺ヤンのブルーベリー畑」さんの採れ立てブルーベリー。
プライベートは1児の母。結婚を機に府中へ移り住み、季節毎にけやき並木で行われる恒例行事やイベントを家族で楽しんでいる。