まちで暮らす、まちを創る──「府中で暮らそう!」で地域をつなぐメディアの挑戦

笑顔の女性の写真。背景は屋外の街並みで、車や木々がぼやけた状態で映っている。女性はネイビーのジャケットとストライプ柄のインナーを着用し、短めの髪と自然な笑顔が印象的。ビジネスカジュアルな装いで、明るく落ち着いた雰囲気が感じられる。
株式会社フォートリー代表取締役・関口裕美さん
笑顔の女性の写真。背景は屋外の街並みで、車や木々がぼやけた状態で映っている。女性はネイビーのジャケットとストライプ柄のインナーを着用し、短めの髪と自然な笑顔が印象的。ビジネスカジュアルな装いで、明るく落ち着いた雰囲気が感じられる。
株式会社フォートリー代表取締役・関口裕美さん

 「幼い頃から転勤族だった私にとって、『ここをふるさとにしたい』と思えたのは府中が初めて」と語るのは、採用支援を主事業とする株式会社フォートリー代表取締役の関口裕美さん。結婚を機に府中へ移り住んでから約5年、住むほどに感じられる地域の魅力を、現在は「府中で暮らそう!」という地域メディアの運営を通して発信しています。

 府中で暮らし、府中の魅力を日々手探りで発掘している関口さん。どのような想いで日々のメディア運営を行っているのか、また、今後の展望についてお話を伺いました。

「府中の魅力を伝えたい」──地域メディアを立ち上げた理由

 関口さんが府中に住み始めたのは今から約5年前のこと。埼玉・アメリカ・千葉・神奈川と、幼少期から転居の多かった彼女には、長く抱えていた思いがありました。「出身がどこかと問われると、どうしても返答がワンテンポ遅くなるんです。自分のルーツを決めきれないもどかしさがありました」

さまざまな地域に触れたからこそ、今の満足がある
さまざまな地域に触れたからこそ、今の満足がある

 そんな関口さんにとって、府中は心から“しっくりときた”まちだったといいます。古くから続くお店や企業も多く、端々から伝統が感じられる町並み。季節ごとに開催されるお祭りやイベントも随一の多さで、好奇心はそそられるばかり。「『この魅力を、もっと外に伝えたい!』と思ったんですよね。府中で暮らし、府中で働き、府中で経済を回していく。そんな人を増やせたら、街全体がもっと元気になるはずだと考えました」。

 地域での暮らしや働き方をより豊かにしたい。その志に、自身の営んでいる広告業のノウハウを加えたらどうだろう──そんな経緯から、この「府中で暮らそう!」という地域メディアは生まれました。

「利益じゃないところに価値がある」──メディア運営のこだわり

 「府中で暮らそう!」の強みは、府中で活躍する人への取材インタビューにあります。話を聞いてみたいと感じた事業者や団体へ直接アポイントメントを取り、訪問を通じた顔合わせを行いながら、ひとつずつエピソードを伺います。

さまざまなエピソードに出会える楽しさがある
さまざまなエピソードに出会える楽しさがある

 「取材対象者の方からは、費用や料金などは一切いただいていません。面白いことや楽しそうなこと、頑張っている人のことは、広告出稿料の有無に関わらず紹介したいんです。こうしたCSRに近い活動も、広告業でどうにか経営を回せているからこそできているのは間違いないですね」と、関口さん。

 インタビュー記事は基本的に、訪問による取材撮影から書き起こしを行い、1本1本を丁寧に仕上げていきます。予想以上の反響が出たときには、取材対象者の方の活動をより支援できたようで嬉しくなるそう。

東京競馬場の開催中には家族で行くことも多いという
スタンド席で赤ちゃんと笑顔の女性の写真。女性は茶色のTシャツを着て、マスクを顎に下げた状態で赤ちゃんを抱えている。赤ちゃんはオレンジ色の服と白い靴下を履き、カメラに向かって可愛らしい表情を見せている。背景には競馬場の広い芝生や電光掲示板が見え、観覧席には他の観客も座っている様子が写っている。温かく親しみやすい雰囲気の写真。
東京競馬場の開催中には家族で行くことも多いという

 また、地元で行われるイベントの紹介記事にもこだわっています。一児の母として府中で暮らす関口さんにとって、子どもと行けるイベントの開催情報はもっとも気になるトピックスのひとつだったといいます。あらゆる運営団体によるイベント告知内容がいっぺんにチェックできる場所があったら便利だろうな、という発想から、今の形式で情報をまとめ始めたそうです。

「普段からなるべくSNSやWEBサイトを巡りながら、アンテナを張るようにしています。知らなかったイベントを見つけたときは『やった!見つけた!』と心が躍りますね(笑)」

未知の魅力を発見した時の喜びを、ひとりでも多くの人へ

レストランで笑顔の2人の女性の写真。左の女性は白いセーターを着て手を広げて笑顔を見せ、右の女性はブラウンのセーターでピースサインをしている。テーブルにはサラダや飲み物が置かれ、黒板にはフランス語と日本語でメニューが書かれている。背景にはカウンターやキッチン、ボトルが並んだおしゃれな店内の様子が映り、楽しそうな雰囲気が伝わる写真。
取材を含め、人と会わない日はほとんどない
レストランで笑顔の2人の女性の写真。左の女性は白いセーターを着て手を広げて笑顔を見せ、右の女性はブラウンのセーターでピースサインをしている。テーブルにはサラダや飲み物が置かれ、黒板にはフランス語と日本語でメニューが書かれている。背景にはカウンターやキッチン、ボトルが並んだおしゃれな店内の様子が映り、楽しそうな雰囲気が伝わる写真。
取材を含め、人と会わない日はほとんどない

 日々、採用広告に関する業務や経営業に追われ、多忙な毎日を過ごしている関口さん。それでも府中の各地を飛び回りインタビューを続ける理由は、ストレートに楽しいからだといいます。

「府中で活躍されている方々とお話していると、いろんな刺激がもらえるんです。どうして今の活動を始めるに至ったかという経緯や、どんな部分にやりがいがあるのか等、実際に伺ったからこそ知れた話がたくさんあります。それらがあまりに楽しいから、この喜びを1人でも多くの人に知ってほしい! ……というのが、私のモチベーションなんだと思います」と、関口さんは笑います。

「未来の府中を見据えて」──今後の挑戦と展望

同じく経営に携わる同志と研鑽を深めている
同じく経営に携わる同志と研鑽を深めている

 「府中で暮らそう!」は、2024年10月末に立ち上がって以来、インタビュー記事やイベント情報をコンスタントに発信し続けています。メディア公開からわずか1カ月半で、アクティブユーザー数は約3,000近くの好結果を記録。InstagramやX(旧Twitter)などの各種SNSでもフォロワーは順調に増加しており、今後も定期的な情報発信を行っていくそうです。

 今後について尋ねると、関口さんは「まずは、メディアの認知度をさらに高めていきたいですね。せっかく皆さんから伺った素敵な情報を、より多くの市民に伝えていくためには、やはり『府中で暮らそう!』の読者数を増やすのが近道ですから。その上で、将来的には独自イベントの企画や、さまざまな団体とのコラボレーションなど、もっと楽しくてワクワクするようなことができたらと考えています」と語ってくれました。

ともに歩む仲間たちも徐々に増えつつある
ともに歩む仲間たちも徐々に増えつつある

 「ゆくゆくはアプリ化して、実際のお店やイベントと連携した機能や、幅広い方が使いやすいUIデザインの研究にも着手したいですね。今はまだ記事のバリエーションを充実させることに精一杯ですし、メディア自体のマネタイズもゼロなので、いつになるかはわかりませんが(笑)」

 最後に関口さんは、自身が地域貢献についてどう考えているかを語りました。

「府中は、今後も私自身や、私の家族が暮らしていくことになる“ふるさと”。自分たちの住むまちを、自分たちの手でよくしていきたいという気持ちは、そう変わった話ではないはず。同じように考えている方々と、これからも協力しながら歩んでいきたいと思います」

自分の住むまちのために、まずは自分が動き始める

 関口さんが語る「自らの住むまちを、より良いものにしていきたい」というビジョンを、考えている方は、地域を問わず多いのではないでしょうか。そのような想いをもとに、この「府中で暮らそう!」は生み出されたといいます。これからも府中の魅力を伝える地域メディアとして、さまざまな想いや取り組みにスポットライトを当てていってほしいと感じました。

今回取材したのは…
「FORT LEE」のロゴ。シンプルでスタイリッシュなデザインで、青と黒を基調にしています。上部には要塞や橋を連想させる形状のアイコンがあり、ブランド名を引き立てています。

株式会社フォートリー

〒183-0022
東京都府中市宮西町2丁目8-2
TEL : 042-404-2727
WEB:https://fort-lee.jp/

《事業内容》
・広告をはじめとしたクリエイティブ制作事業
・採用コンサルティング事業
・各種コンテンツ制作事業

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この記事を書いた人

吉野 早紀のアバター 吉野 早紀 ライター / 府中で暮らそう!編集チーム

普段は求人採用記事やSEOに特化した記事制作を手がけるライターとして活動中。
府中には行きつけの美容院があり、週末には「カフェ・サンク」さんのモーニングでほっと一息つくのが楽しみです。地域での素敵な発見を皆さんと共有できればと思っています!